研究概要 |
会計・ファイナンスの領域では,経営者による利益予想に関する研究が多く行われている.本研究では予想誤差を利用して利益予想の特徴を分析した. 本研究では発見事項は次のとおりである.(1)期首において概ね経営者は楽観的予想を行うが,景気変動に応じて楽観的程度が変化している,(2)予想は当該年度が黒字であった場合,保守的な予想になりがちである,(3)当期利益の予想誤差は経常利益のそれよりも大きい.(4)東証1部のデータを用いた場合,中央の非対称性が発見されたが,ジャスダックのデータでは発見されなかった.(5)テールの非対称性は赤字,あるいは減益となるグループにのみ観察された.
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