研究課題/領域番号 |
20530508
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会福祉学
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
衣笠 一茂 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (50321279)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2010年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2009年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2008年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ソーシャルワーク / 自己決定 / 近代性の構造 / 実践の科学化 / 関係性構築の原理 / 原理と価値 / 共同性の価値 / 社会関係の媒介 / 合意形成 / 豊僥化 / エスノグラフィー / 主観的意味 / 自立と自己決定 / 近代市民社会 / 高次機能障害 / 構造主義的アプローチ / 「語り」のデータ / 相互に肯定する関係の原理 / カント哲学 / 近代的人格論 |
研究概要 |
本研究は、自立し、自己決定出来ないクライエントを対象とする、ソーシャルワーク実践の主体性について、実証的に研究したものである。既存の論理に批判的に検討を加え、「自立できない」個人の尊厳を見出そうとする新しいソーシャルワークの実践のあり方を「実践の科学化」という機能的な方法論を持って明らかにしようとしたものである。 回復期リハビリテーション病棟におけるソーシャルワーク実践を対象とした質的調査研究の結果、患者やクライエントの「自己決定」に依拠できない状況の下において、ソーシャルワーカーが自身の援助の判断の根拠としているのは、自己決定できず、物言えぬ「クライエント」と、彼らを取り巻く家族に代表される「他者」との間にある、「関係性構築」の原理であることが析出された。ソーシャルワーカーは、クライエントが決定できず、判断を表現できない、その意味において近代市民社会における「主体」の位置を喪失したものであったとしても、彼らの存在を「承認し、肯定する」ような、「他者」との関係を媒介してゆく。その上で、彼らの存在の「意味」を軸心にした、クライエントと他者とが「向き合い受け入れる」ような関係性の構築に向けて、自らが関係性の「媒介者」として機能するような、「関係性構築の原理」に基づいた援助を実践してゆくのである。 このような実践は、既存の社会構造において「主体」としての位置を剥奪されたものにも「尊厳」を保障しようとする、「新たな社会関係を開拓する社会的実践」として、ソーシャルワークが招請される新しい可能性を示しているものと考えられる。しかし、こうした「主体の位置を剥奪されたもの」になぜ「尊厳」を担保しうるのか、その論理的根拠=価値基盤を論究する知的営為が、今後の研究課題として示された。
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