研究概要 |
成人の社会的認知能力に個人差を測定するため,プロの俳優6名により演じられた対人場面を録画したものを材料とし,「動画(音声付き)」「画像」「音声のみ」の3種類の課題(MPMR Test)を作成し,大学生を対象に実施した結果,各課題成績は正規分布を示すこと,各課題の信頼性は,許容範囲であることなどが確認された。この結果は,課題成績に一定の個人差が表れることを意味している。これらの課題成績と,基本的認知傾向との関連性を調べたところ,社会的認知能力課題の成績と共感化傾向は中程度の正の相関,システム化傾向とは弱い負の相関を示した。これらの結果は,E-S理論の基本的仮定と一致しており,当課題が社会的能力を測定していることを示唆している。
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