本研究では、集団間状況下で、内集団や外集団に関する社会的合意性がどのように推定されるかについて検討した。研究Iでは、内集団と外集団の関係が競争的であるか、非競争的であるかによって、異なった合意性推定パターンが見出された。研究IIでは、ステレオタイプの共有化プロセスが、ステレオタイプ的言及の情報源(内集団メンバーか外集団メンバーか)や言及内容(ステレオタイプと一致か不一致か、ポジティブかネガティブか)また、外集団に対する好意度などによって影響を受けることが明らかになった。研究IIIでは、現実の集団間葛藤(男女間格差)について検討を行い、推定者の性別によって、「外集団」や「社会全体」における格差認識の推定が異なることが確認された。
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