研究概要 |
視覚的垂直の変動が,頭の傾斜を斟酌することによって誘発されるのかどうかを実験的に検討した.実験の結果,1)頭を傾けると視覚的垂直はそれとは反対の方向に傾いたが(ミュラー効果),2)頭が大きく過大判断されたのに対してミュラー効果は小さかった,3)刺激線分が短かったり輝度が低かったりすると視覚的垂直が左側に傾きやすくなった(とくに頭が右に傾いたとき),4)視覚的垂直が客観的な垂直方向からずれる量は,観察者の視覚探索の有無とも関係がなかった.これらの結果は,感覚-緊張場理論の予想と一致した.
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