配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2010年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2008年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
研究概要 |
本研究では,ノイズを追加したときに却って認知成績が向上するという,一見直感とは矛盾する現象を追求した。まず,ノイズを追加すると標的同定率が向上するという結果と,逆に低下するという結果を追試によって確認した。さらに,その条件分析をすることで,ノイズ刺激追加が標的同定成績を向上もしくは低下させる要因の特定を行った。実験事態では,注意の瞬き現象を利用して,第2標的の検出率が低下しているときにノイズ刺激を追加して呈示した。間接的に類似した条件を含む先行研究の比較に基づき,ノイズ刺激追加効果の出方を左右している要因を特定した。ノイズ刺激数を操作したところ,ノイズ刺激を単独は毎フレームに複数呈示することは標的同定成績に大きな影響を与えないことがわかった。ノイズ呈位置を操作したところ,ノイズ刺激周辺に呈示したときに標的同定成績に大きな影響があった。標的位置予測が最も大きく関与していた.標的位置が予測可能の場合,注意を焦点化することによってノイズを適切に抑制できることがノイズ追加による促進効果に関与していた。標的位置が予測不可能なときは,ノイズ追加による効果はなく,常に同定成績は悪化していた。最適な効果を生じるノイズ刺激の種類と強度を調べたところ,動的な刺激であること,かつパターンをもつ刺激であることが促進効果の生起に重要であることがわかった。これらの結果は,促進効果が確率的共振に起因している可能性を示唆していた。
|