研究概要 |
ナノチューブ状ハロゲン架橋白金錯体の物性研究を実験グループと連携して推進し、その類稀な混合原子価基底状態を同定し,さらには角柱形状特有の半金属電荷密度波状態の存在を予言した。単なる実験解釈に止まらず,物質設計に及んで積極的提言を行い,4角柱状,3本螺旋状白金錯化合物の合成につながった。環式炭化水素高分子ポリアセンに,一方通行の光誘起相転移を発見した。エネルギーの縮退したシス・トランス型構造異性状態は,光学吸収特性を異にするため,これはフォトクロミック・デバイスへの応用に道を開くものである。さらに単分子環状磁性体の磁場有機レベル交差現象に対する核スピン格子緩和理論を構築した。クロミウム8核錯体のプロトン核磁気共鳴実験観測における懸案を解決した。
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