研究課題/領域番号 |
20540354
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 義明 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (60262846)
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研究分担者 |
佐藤 正俊 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 名誉教授 (40092225)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2010年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2008年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 超伝導 / 水和コバルト酸化物 / 核磁気緩和率 / ナイトシフト / 電子比熱係数 / 磁気励起 / 鉄砒素系超伝導体 / 水和コバルト酸化物超伝導体 / 鉄ヒ素系超伝導 / コバルト酸化物 / スピン一重項状態 / 核磁気共鳴 / 電荷秩序 / 核電気四重極共鳴 / 比熱 / ナトリウム秩序 / NMR / 中性子散乱 / 核四重極共鳴 / 反強磁性ゆらぎ |
研究概要 |
層状コバルト酸化物の超伝導はc軸長や、コバルトサイトの核電気四重極共鳴周波数v_Qをパラメーターとした相図上に現れ、特定のv_Q(c軸長)の狭い領域に存在する非超伝導相により、その超伝導相は2つに分断される。測定した様々な物理量全ての振舞いは、この非超伝導相が磁気秩序相でなく電荷不均一相であることで矛盾なく説明できる。c軸長(v_Q値)が増大するにつれて、超伝導相、非超伝導相、超伝導相が次々を現れる様を、これまで観測されているa_<1g>バンド以外に、e_g'バンドもフェルミ面を構成するとして、説明しようという理論が提出されたが、フェルミ面の変化に敏感である電子比熱、NMRナイトシフトや中性子散乱実験の結果から、これが起こっていないことがわかった。この系の超伝導は電子フォノン相互作用を主たる機構した電子対形成で理解できること、電荷不均一相への転移でフェルミエネルギーレベルの状態密度が減少し、これにより超伝導が強く抑制されることが明瞭となった。 さらにこの系との比較研究としてCo以外の遷移金属をベースとした超伝導体である、鉄とヒ素化合物の研究を行った。これはコバルト酸化物と比べ、T_cが1桁高く、様々な物理量の相違点からコバルト酸化物の超伝導の特徴がより明瞭となると考えられる。鉄系でのT_cへの不純物効果は、コバルト酸化物と同様に、とても弱く、どちらも磁気ゆらぎによる超伝導形成とは考えづらい。よって、鉄ヒ素系がコバルト酸化物の超伝導と比較すべき格好の系であることがわかった。
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