配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2010年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2009年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2008年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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研究概要 |
日本においては,地震予知計画のもと,さまざまな地域で屈折法構造探査が行われてきた。その結果,地殻構造の地域性について明らかになってきた。一方で,近年レシーバ関数解析により遠地地震を用いて地殻構造を明らかにする手法が確立され,Hi-net等空間的高密度な観測点の展開とともに,日本各地において地殻構造が明らかになってきている。それらのデータを用いて,屈折法探査によって求められたモホ面とレシーバ関数解析で求められたモホ面を比べてみると,一部の測線においては,レシーバ関数解析では,屈折モホ面に加えて,さらに10km程度深部に顕著な境界面(サブモホ面)が確認できた。西南日本においては,レシーバ関数解析から求められたモホ面と屈折モホ面が一致した。いっぽう,中部日本のレシーバ関数断面では,屈折法によって求められた境界面と調和的な速度ジャンプがレシーバ関数の断面でも見られたが,さらにそれよりも10km程度深部において速度ジャンプ(サブモホ面)が見られた。このようなサブモホ面についての地域的分布の特徴をみてみると,特徴的な傾向がみられた。東北日本や中部日本においては,このサブモホ面が観測されるのに対して,西南日本においては観測することができなかった。この特徴と地質学的データや火山の配列とを比較検討した。その結果,このようなサブモホ面は,活火山が存在する地域で見られることがわかった。さらに,屈折モホ面とサブモホ面の間の構造の特徴について調べたところ,反射波が多く生成されるリフレクティブゾーンであることがわかった。この特徴は,大陸域で広く観測される,透明な上部地殻,リフレクティブな下部地殻,透明な最上部マントルという特徴とは異なることがわかった。そのためこの島弧でみられたサブモホ面と最上部マントルの構造,さらにその成因について研究をおこなった。その結果,この構造はマグマのアンダープレーティングによって形成された可能性があり,サブモホ面は,そのマグマアンダープレーティング域の下部境界を見ている可能性があることがわかった。
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