| 研究概要 |
断層面上の非地震性すべりによるアスペリティ周囲での応力集中がアスペリティの破壊過程に及ぼす影響を数値シミュレーションにより調べた.非地震性すべりによる応力集中が破壊の発生を促進するため,アスペリティ破壊の際の平均的応力降下量は比較的小さくなることがわかった.これは,プレート内地震とプレート境界地震の応力降下量の違いの原因と考えられる.また,アスペリティ端の応力集中の効果により,地震の平均的応力降下量は破壊エネルギーや臨界すべり量に依存することが明らかになった.円形アスペリティの動的破壊過程の数値シミュレーションの結果,破壊は応力集中しているアスペリティ周囲の1点から始まり,周囲を伝播して,最後に残った1点が破壊して終わることがわかった.最後の1点の破壊は強いパルス的なすべりを発生させ,短周期成分に富む地震波を生成することが示された.エンベロープインバージョンにより短周期地震波放射特性の空間分布を調べた結果を取りまとめ,短周期地震波エネルギーに関して,スケーリング則,周期依存性,地域依存性を明らかにした.
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