研究概要 |
北部沖縄トラフの黒潮流路が冬・春期に不安定化する現象は,東シナ海上の冬季季節風に対する黒潮の局所的応答で説明できることを,理論と数値計算から示した。その応答とは,冬季季節風によって黒潮流軸の沿岸側でエクマン湧昇が起こり,黒潮が陸棚斜面から剥がされるため傾圧不安定が起りやすくなるというものである。さらに,黒潮を横切る海面地衡流速分布の長期時系列データセット(1992~2010年)を作成し,この現象の経年的な変調を調べた。その結果,主要な経年的変調の原因は,冬季季節風の強さの経年変動であることが示された。
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