研究概要 |
中央構造線(以下MTL)と跡津川断層のシュードタキライト(以下PT)中のジルコンのフィッショントラック(以下FT)年代を測定した.MTLではPTのFT年代は約60Maを示し,MTLの脆性変形の最も古い年代として位置づけられる.跡津川断層については,ジュラ紀の花崗岩の冷却時の約60Maまでに若い伏在花崗岩の広域的貫入によって年代がリセットされ,引き続く冷却時(およそ45Ma前後)にPTが形成したと考えられる.以上より,従来の他の断層の放射年代も踏まえ,西南日本内帯の花崗岩地殻において主要な断層が発生したのはおよそ45-60Maまで遡ることが裏付けられた.
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