配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2010年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2009年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2008年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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研究概要 |
本研究計画では,配位子の精密設計と適切な金属イオンの選択を通して,金属配位酸素原子上に発現するキラリティーおよび金属周辺における不斉環境の精密制御の可能性とその限界を明確にし,「不斉酸素原子」というこれまでにない新しい概念を提唱する。配位子の合目的設計により,「不斉酸素原子」のみに由来する鏡像異性体の単離・構造決定を目指すとともに,その物性を詳細に解析することにより,「不斉酸素原子」の応用面での利用を目指す。 まず,不斉要素を全く持たないアキラルな配位子を用いて酸素原子を金属中心に配位させるために必要な要因について検討した。その知見を元に,配位子が金属に配位することにより不斉酸素原子と不斉窒素原子を同時に発現する系を構築し,不斉窒素原子の立体配置により,不斉酸素原子の立体配置が高い選択性で制御されることを見いだした。さらに,様々な位置に不斉炭素を有する配位子を用いて不斉酸素原子を発現させることに成功した。銅錯体の結晶構造解析から,酸素原子からの位置に応じて,不斉炭素原子の立体配置により,不斉酸素原子の立体配置が高い選択性で制御されることを見いだした。得られたキラル錯体は銅のd-d遷移領域において特徴的なコットン効果を示した。これは,溶液中において不斉酸素原子の立体配置が保持されていることに由来していると考えられる。
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