研究概要 |
人工股関節ステム表面の応力が,骨にどのような影響を与えるかという問題は,長期に渡る緩みの予防,および,術後の大腿部痛の発生原因の推定と関連して重要である.本研究では,実験動物の大腿骨に形状記憶合金のピンを挿入することにより髄腔内から定常荷重を加える方法を考案し,定常荷重を受けた骨組織に生じる変化を調べた.6週間の経過観察の結果,荷重を加えたピンの表面と骨の間の界面においては,骨の降伏応力に近い応力に曝されているにも関わらず,数週間にわたって,変化がほとんど見られなかった.一方,皮質骨の外側では,髄腔内に高い応力あると,その影響により,骨肥厚が発生し得ることがわかった.
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