| 研究概要 |
予混合圧縮着火エンジンにおける着火時期の予測可能な包括的反応モデルの構築を目的として,新規製作した高圧衝撃波管を用いて各種炭化水素燃料の着火特性を評価した。着火に重要な素反応の速度定数を実験的・理論的に決定し,既存反応モデルを改良することにより,ヘプタン,イソオクタン,トルエンの着火誘導期の実測を幅広い圧力範囲で再現することができた。しかし,炭化水素を混合した2成分燃料の高圧着火特性は,単成分同士の反応モデルを単に重ね合わせたシミュレーション計算では再現することができなかった。これは燃焼反応の途中で生成する,ラジカル中間体同士の反応(クロス反応)に起因すると考えられ,クロス反応の解明が今後の課題である。
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