研究概要 |
自然土壌のマイクロ波帯複素比誘電率を計測できる終端開放同軸線路型プローブとデータ処理法を開発した.測定プローブの幾何学に基づいた等価回路を構築し,測定量である反射係数と導波管内に充填する測定媒質の複素比誘電率との間の関係を導出した.この関係を利用して媒質の複素比誘電率を算出する.水分量を変えた試料を用いて,土壌水分に応じた複素比誘電率実部と虚部の変化の計測を確認した.レーダリモートセンシングの分野では土壌水分計測が重要なテーマで,そこではレーダ後方散乱⇔誘電率⇔水分量の関係が利用される.誘電率はマイクロ波散乱に直接関係するパラメータであり,さらに本方法は液体の誘電率計測にも適用可能であるため,マイクロ波散乱研究での利用が期待できる.
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