研究概要 |
本研究では、重い電子系物質群のうち、化合物の代表的な物質の一つであるCeNiの電子状態を調べるため、(Ce-Gd)Ni系単結晶試料の磁気的な性質を巨視・微視的に調べた。その結果、(1)Gd=0.03-0.20の組成域では試料の磁化の温度依存性が極めて特異な、直線的に減少する。これは分子場近似解析の結果、Gd-Gd間の交換相互作用が崩壊的に減少すること、i.e.RKKY相互作用が何らかの原因により、極めて小さくなっていることに起因することを明らかにした(LT25,ICM2009,LT26にて発表)。またGd=0.8の単結晶試料に対してSPring-8において軟X線MCDの実験を行い、Ce,Ni,Gdそれぞれば磁気モーメントを持っていること、それぞれのL,S成分をサム・ルールから算出し、Ceは印加磁場4 Teslaでスピン・フロップすること等を明らかにした(PRLに投稿予定)。
|