研究概要 |
ホール推進機の高効率化を達成するために,ホール推進機内で生成したプラズマと加速チャンネル壁面との相互作用に着目し,壁面がホール推進機作動に与える影響について実験及び数値解析研究を行った。評価は異なる推進剤,異なる半径方向オリフィス位置を持つ陽極について行われた。開発した粒子コードによる数値解析の結果,推進剤としては電離エネルギーの小さいキセノンの場合に放電電流振動振幅が大きく,推進効率が高くなった。また,壁面近傍に設置したオリフィスの場合,放電電流振幅が抑制されるという結果が得られた。この結果は実験によって確かめられた。壁面に近いオリフィスの場合の方が上流部では壁面へのプラズマ損失が大きくなることから,運用時には中央にオリフィスを配置するだけでなく,数値解析によって,放電電流振動及び効率評価を同時に進め,オリフィス位置の決定が重要であることが示された。
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