ツツジ属植物における葉緑体ゲノム父性遺伝機構の細胞学的および遺伝学的解明

• 研究課題/領域番号: 20580020
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 園芸学・造園学
• 研究機関: 琉球大学
• 研究代表者: 嬉野 健次 琉球大学, 農学部, 准教授 (10333759)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• 研究課題ステータス: 完了 (2010年度)
• 配分額: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円); 2010年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円); 2009年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円); 2008年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
• キーワード: 花卉 / ツツジ / ptDNA / 葉緑体DNA / 父性遺伝 / 葉緑体ゲノム / 核支配

研究概要

ツツジ属植物における葉緑体DNAの遺伝性を支配している要因を解明するため葉緑体ゲノム内のtrnL-trnF遺伝子間領域についてPCR-SSCP法を用いて解析を行った.まず,オオシマツツジ(Fタイプ)とオオヤマツツジ(Sタイプ)との正逆交配で得られたF1実生について解析を行ったところ,以前の報告と同様,オオヤマツツジを種子親にした交配では,葉緑体DNAが父性遺伝しているF1実生の出現頻度が高かったが,その逆交配では低かった.次に,上記のオオシマツツジとオオヤマツツジとの交配で得られたF1個体群を種子親にしてタイワンヤマツツジ(Fタイプ)と交配したところ,後代における父性遺伝の出現頻度は,種子親のF1個体群がすべてオオシマツツジ由来(Fタイプ)の葉緑体ゲノムを持つ交配間で母性遺伝》父性遺伝〓両性遺伝,母性遺伝〓父性遺伝》両性遺伝,および母性遺伝《父性遺伝》両性遺伝の3つのタイプに分離した.また,種子親のF1個体群がすべてオオヤマツツジ由来(Sタイプ)の葉緑体ゲノムを持つ交配間でも同様に分離した.以上の結果より,葉緑体DNAの遺伝性には,葉緑体ゲノム自身ではなく,核ゲノムが関与していることが示唆された.

研究成果

• [雑誌論文] Relationship between nuclear genome construction and the Plastome-genome incompatibility of progenies from intra- and inter-ploid cross of evergreen azaleas×Rhododendron japonicum f.flavum (2010)
  • 著者名/発表者名: Kenji Ureshino
  • 雑誌名: J.Japan.Soc.Hort.Sci. 79 ページ: 91-96
  • 査読あり
• [雑誌論文] 常緑性ツツジとキレンゲツツジとの交配で得られたF1生に常緑性ツツジを戻し交配した時のBC1実生の形質
  • 著者名/発表者名: 嬉野健次, 島袋裕也, 赤羽勝
  • 雑誌名: 園芸学会秋季大会(大分大学)
• [雑誌論文] ツツジ属植物における葉緑体DNA父性遺伝機構の遺伝学的解明
  • 著者名/発表者名: 赤嶺さつき, 嬉野健次, 安谷屋信一
  • 雑誌名: 園芸学会秋季大会(秋田大学)
• [雑誌論文] 常緑性ツツジとキレンゲツツジとの同および異倍数体間交配における緑色実生出現頻度の差異について
  • 著者名/発表者名: 嬉野健次, 阿部翼
  • 雑誌名: 園芸学会秋季大会(三重大学)
• [学会発表] 常緑性ツツジとキレンゲツツジとの交配で得られたF1実生に常緑性ツツジを戻し交配した時のBC1実生の形質 (2010)
  • 著者名/発表者名: 嬉野健次
  • 学会等名: 園芸学会
  • 発表場所: 大分大学
  • 年月日: 2010-09-20
• [学会発表] ツツジ属植物における葉緑体DNA父性遺伝機構の遺伝学的解明 (2009)
  • 著者名/発表者名: 嬉野健次
  • 学会等名: 園芸学会
  • 発表場所: 秋田大学
  • 年月日: 2009-09-27
• [学会発表] 常緑体ツツジとキレンゲツツジとの同および異倍数体間交配における緑色実生出現頻度の差異について (2008)
  • 著者名/発表者名: 嬉野 健次
  • 学会等名: 園芸学研究 第7巻 別冊2
  • 発表場所: 園芸学会秋季大会(三重大学)
  • 年月日: 2008-09-27
• [備考] ホームページ等