研究概要 |
チップバーンは、カルシウム欠乏時に発生する野菜の生理障害であり、収穫物の商品価値と収量を低下させる.本研究では,レタスのチップバーン抵抗性の簡易評価法を確立し、同方法により選抜した感受性品種が栽培時の指標品種として利用できることを確認した.また,チップバーンの原因遺伝子として、カチオン/H^+アンチポーターをコードするCAX遺伝子を一候補とみなし、レタスから4種類の遺伝子(LsCAX2, 3a, 3b,および5)を単離し解析を行った。そのうち、2種類の遺伝子がコードするタンパク質にはCaの輸送特異性に関与する2つの領域が高度に保存されていた.さらに、CaCl_2によるLsCAX遺伝子の発現誘導において、抵抗性品種と感受性品種との間に差異があり、同遺伝子がチップバーンと関係している可能性が推察された。AtDREB1Aを別の原因遺伝子候補と考え、同遺伝子を過剰発現させたレタスのチップバーン抵抗性をコントロールと比較した結果、チップバーン発生葉率が有意に高いことが明らかとなり、ストレスとチップバーンとの関連性が示唆された。
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