研究概要 |
カラマツ(Larix kaempferi(Lamb.)Carr.)造林木を対象に,温暖化に伴う気候変動が肥大成長量や密度に及ぼす影響を解明することを目的とし,第一に,年輪年代学的手法を適用して国内4生育地における気候応答解析を行った。第二に,異なる標高域を対象に年輪形成過程を把握するための形成層活動観測を行った。年輪幅および年輪内密度の気候応答について,生育地の温量指数の増加に伴う高温の抑制的効果は認められなかった。開葉,分裂開始,二次壁肥厚開始日は気温に依存していることが示唆された。一方,形成の終了時期の標高依存性は認められなかった。以上の研究より,温暖化に伴う肥大成長量や材質の顕著な変化は無いと予想される。
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