研究概要 |
アカガレイ仔魚は,孵化直後から継続的に成長の速い個体ほど生残しやすい傾向を示し,2007-2011年級群のうち,2007年級群は高水温を経験し成長率が高かった。しかし最も成長率が低かった2008年級群がその後卓越年級群となった。成長率は全体として乱流強度の指標となる風速が増すとわずかに高くなっていたが,餌であるかいあし類ノープリウスの密度や水温,全天日射量とは明瞭な関係はみられなかった。卓越年級群の発生は,摂餌開始期の摂餌の成否や成長率よりもむしろ,浮遊期以後の生残過程によって強く影響を受けているのかもしれない。
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