研究概要 |
エラスチンフラグメント(EF) VAPGVGはヘキサペプチドでありながら,エラスチンにみられる性質をいくつか継投している.EFにβアミノ酸を導入することで,構造や特有の性質がどのように変化するか検討した.その結果,CDスペクトルで220 nm付近に観測された負のコットンは,βアミノ酸導入によって反転したスペクトルをえた.このことは,βアミノ酸の導入は,EF に大きな構造変化をもたらすことを示した.さらに,もう一つのEFである(PVGVG)_4はペンタペプチドがくり返す配列であり,CDスペクトルでは顕著な構造の存在は示唆されなかった.しかし,3位のGlyをβすることで,大きな構造変化を誘導することを明らかにした.また,関連ペプチドであるBoc-Pro-Hyp-OMeの結晶構造を明らかにし,主鎖コンホメーション(ψ,φ)の値が,コラーゲン3重鎖の値と類似していることを明らかにした.
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