Fc受容体との相互作用に着目したTNF阻害抗体医薬の生物学的特性に関する研究

• 研究課題/領域番号: 20590167
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 医療系薬学
• 研究機関: 国立医薬品食品衛生研究所
• 研究代表者: 石井 明子 (渡辺 明子 / 渡部 明子) 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部, 第二室長 (50291117)
• 研究分担者: 鈴木 琢雄 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部・第2室, 主任研究官 (10415466) ; 多田 稔 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部・第2室, 研究員 (50506954)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• 研究課題ステータス: 完了 (2010年度)
• 配分額: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円); 2010年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2009年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2008年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
• キーワード: 抗体医薬品 / Fc融合タンパク質医薬品 / Fc受容体 / FcRn / FcγR / TNF / 血中半減期 / バイオ医薬品 / 体内動態 / FcRn(neonatal Fc receptor) / 半減期

研究概要

臨床応用されている各種TNF阻害薬の生物活性の差異を明らかにすることを目的に、抗TNF抗体医薬品(インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ)及びTNF 受容体-Fc融合タンパク質医薬品(エタネルセプト)について、1)血中半減期制御に関わる受容体FcRnとの結合親和性、2)TNFとの複合体形成能及び複合体のFcγR活性化能を解析した。その結果、1)Fc融合タンパク質のFcRn 結合親和性が抗体と比較して低いこと、2)TNFとの複合体形成能が3 種類の抗体で異なり、形成される複合体サイズがFcγR活性能に影響することが明らかになった。Fc受容体との相互作用に関するこれらの違いが、ヒトでの血中半減期や、免疫エフェクター細胞の活性化を介したインフュージョン反応あるいは抗薬物抗体の発現頻度等に影響している可能性が考えられる。

研究成果

• [雑誌論文] Importance of FcRn in regulating the serum half-life of therapeutic proteins containing the Fc domain of human IgG1. A comparative study of the affinity of monoclonal antibodies and Fc-fusion proteins to human FcRn. (2010)
  • 著者名/発表者名: Suzuki T, Ishii-Watabe A, Tada M, Kobayashi T, Kanayasu-Toyoda T, Kawanishi T, Yamaguchi T
  • 雑誌名: J.Immunol. 184(4) ページ: 1968-1976
• [雑誌論文] Genetic polymorphisms of FCGRT encoding FcRn in a Japanese population and their functional analysis. (2010)
  • 著者名/発表者名: Ishii-Watabe A, Saito Y, Suzuki T, Tada M, Ukaji M, Maekawa K, Kurose K, Kaniwa N, Sawada J, Kawasaki N, Yamaguchi T, Nakajima TE, Kato K, Yamada Y, Shimada Y, Yoshida T, Ura T, Saito M, Muro K, Doi T, Fuse N, Yoshino T, Ohtsu A, Saijo N, Hamaguchi T, Okuda H, Matsumura Y
  • 雑誌名: Drug Metab.Pharmacokinet. 25(6) ページ: 578-587
  • NAID: 10027743901
• [雑誌論文] 抗体医薬品の体内動態制御に関わる受容体 (2010)
  • 著者名/発表者名: 石井明子、鈴木琢雄、多田稔、川西徹、山口照英、川崎ナナ
  • 雑誌名: FcRn日本薬理学会誌 136(5) ページ: 280-4
• [雑誌論文] 抗体医薬品の体内動態制御に関わる受容体 : FcRn (2010)
  • 著者名/発表者名: 石井明子、鈴木琢雄、多田稔、川西徹、山口照英、川崎ナナ
  • 雑誌名: 日本薬理学会誌 巻: 136(5) ページ: 280-284
  • NAID: 10029416897
  • 査読あり
• [雑誌論文] Genetic polymorphisms of FCGRT encoding FcRn in a Japanese population and their functional analysis. (2010)
  • 著者名/発表者名: Akiko Ishii-Watabe, Yoshiro Saito, Takuo Suzuki, Minoru Tada, Maho Ukaji, Keiko Maekawa, Kouichi Kurose, Nahoko Kaniwa, Jun-ichi Sawada, Nana Kawasaki, Teruhide Yamaguchi, Takako Eguchi Nakajima, Ken Kato, Yasuhide Yamada, Yasuhiro Shimada, Teruhiko Yoshida, Takashi Ura, Miyuki Saito, Kei Muro, Toshihiko Doi, Nozomu Fuse, Takayuki Yoshino, Atsushi Ohtsu, Nagahiro Saijo, Tetsuya Hamaguchi , Haruhiro Okuda, Yasuhiro Matsumura
  • 雑誌名: Drug Metab.Pharmacokinet. 巻: 25(6) ページ: 578-587
  • NAID: 10027743901
  • 査読あり
• [雑誌論文] Importance of FcRn in regulating the serum half-life of thera peutic proteins containing the Fc domain of human IgG1 : A comparative study of the affinity of monoclonal antibodies and Fc-fusion proteins to human FcRn (2010)
  • 著者名/発表者名: Takuo Suzuki, Akiko Ishii-Watabe, Minoru Tada, Tetsu Kobayashi, Toshie Kanayasu-Toyoda, Toru Kawanishi, Teruhide Yamaguchi
  • 雑誌名: J.Immunol. 184(4) ページ: 1968-76
  • 査読あり
• [学会発表] 複合体形成能に着目した抗TNFα抗体医薬品の生物活性評価に関する研究 (2011)
  • 著者名/発表者名: 多田稔、石井明子、鈴木琢雄、豊田淑江、川崎ナナ
  • 学会等名: 日本薬学会第131年会
• [学会発表] FCGRT遺伝子多型解析により見出されたNeonatal Fc receptor(FcRn)変異体の機能解析 (2010)
  • 著者名/発表者名: 多田稔、石井明子、鈴木琢雄、斎藤嘉朗、川崎ナナ
  • 学会等名: BMB2010(第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会 合同大会)
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-12-07
• [学会発表] 抗体医薬品とFcドメイン融合タンパク質医薬品における胎児性Fc受容体(FcRn)親和性の差異に関する検討 (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木琢雄、石井明子、多田稔小林哲、豊田淑江、川西徹山口照英
  • 学会等名: 日本薬学会第130年会
  • 発表場所: 岡山
  • 年月日: 2010-03-28
• [学会発表] FCGRT遺伝子多型解析により見出されたNeonatal Fc receptor(FcRn)変異体の機能解析BMB2010 (2010)
  • 著者名/発表者名: 多田稔、石井明子、鈴木琢雄、斎藤嘉朗、川崎ナナ
• [学会発表] 抗体医薬品とFcドメイン融合タンパク質医薬品における胎児性Fc受容体(FcRn)親和性の差異に関する検討 (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木琢雄、石井明子、多田稔、小林哲、豊田淑江、川西徹、山口照英
  • 学会等名: 日本薬学会第130年会
• [学会発表] 室圭neonatal Fc receptor(FcRn)をコードするFCGRT遺伝子の日本人における多型探索 (2010)
  • 著者名/発表者名: 宇梶真帆、斎藤嘉朗、前川京子、黒瀬光一、鹿庭なほ子、石井明子、山口照英、澤田純一、長谷川隆一、奥田晴宏、加藤健、濱口哲弥、山田康秀、島田安博、吉野孝之、大津敦、松村保広、西條長宏、宇良敬
  • 学会等名: 日本薬学会第130年会
• [学会発表] 体医薬品およびFcドメイン融合タンパク質医薬品のFc受容体(FcRnおよびFcγRI)との結合特性比較 (2009)
  • 著者名/発表者名: 鈴木琢雄、石井明子、多田稔小林哲、豊田淑江、川西徹山口照英
  • 学会等名: 第82回日本生化学会大会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2009-10-24
• [学会発表] 抗体医薬品およびFcドメイン融合タンパク質医薬品のFc受容体FcRnとの結合親和性比較 (2009)
  • 著者名/発表者名: 鈴木琢雄, 石井明子, 多田稔, 小林哲, 豊田淑江, 川西徹, 山口照英
  • 学会等名: 日本薬学会第129年会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2009-03-28
• [学会発表] 抗体医薬品およびFcドメイン融合タンパク質医薬品のFc受容体(FcRnおよびFcγRI)との結合特性比較 (2009)
  • 著者名/発表者名: 鈴木琢雄、石井明子、多田稔、小林哲、豊田淑江、川西徹、山口照英
  • 学会等名: 第82回日本生化学会大会
• [学会発表] 抗体医薬品およびFcドメイン融合タンパク質医薬品のFc受容体FcRnとの結合親和性比較 (2009)
  • 著者名/発表者名: 鈴木琢雄、石井明子、多田稔、小林哲、豊田淑江、川西徹、山口照英
  • 学会等名: 日本薬学会第129年会
• [学会発表] Affinity of therapeutic monoclonal antibodies and fusion proteins to neonatal Fc receptor (FcRn) (2008)
  • 著者名/発表者名: 鈴木琢雄, 石井明子, 小林哲, 豊田淑江, 多田稔, 川西徹, 山口照英
  • 学会等名: 日本薬物動態学会 第23回年会
  • 発表場所: 熊本
  • 年月日: 2008-10-30
• [学会発表] 抗体医薬品およびFcドメイン融合タンパク質医薬品とFc受容体FcRnの相互作用特性解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 鈴木琢雄、石井明子、小林哲、豊田淑江、多田稔、川西徹、山口照英
  • 学会等名: 日本薬物動態学会第23回年会
• [図書] 先端バイオ医薬品の評価技術第9章「バイオ医薬品の特性解析」 (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木琢雄、多田稔、石井明子
  • 出版者: 生物学的性質解析株式会社シーエムシー出版,東京
• [図書] 先端バイオ医薬品の評価技術 第9章「バイオ医薬品の特性解析」3 生物学的性質解析 (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木琢雄、多田稔、石井明子
  • 総ページ数: 15
  • 出版者: 株式会社シーエムシー出版,東京