研究課題/領域番号 |
20590170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡野 純子 京大, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50447968)
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研究分担者 |
塩田 浩平 京都大学, 医学研究科, 教授 (80109529)
坂井 靖夫 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (50272315)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2009年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2008年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 皮膚発生 / レチノイン酸 / CYP26B1 / ノックアウトマウス / 毛包発生 |
研究概要 |
皮膚は、生体を外界から遮断し、脱水、外傷、微生物等による感染から生体を保護することにより、体内の恒常性維持を可能にする。皮膚の層構造は複雑で、厳密に制御された胎生期の皮膚組織発生により形成される。また毛包や乳腺等の付属器は、上皮-間葉相互作用によって発生する。従来、皮膚発生およびその付属器の形態的研究は、実験動物や培養細胞を用いて精力的に行われてきたが、その発生を制御する分子メカニズムにはほとんどわかっていない。 一方、ビタミンA誘導体であるレチノイン酸(retinoic acid:RA)は、正常発生に不可欠であるが、その過剰はヒトおよび実験動物に種々の先天異常をひきおこす。今回、我々はRA分解酵素の一つであるCyp26b1を欠損させた遺伝子ノックアウトマウスを作製することにより、ヒトのRA過剰症と極めて類似した胎児を得ることに成功した。このノックアウトマウスを観察したところ、表皮の肥厚、毛包の欠如といった皮膚の異常発生がみられた。そこで、皮膚原基が発生する胎生13.5日のCyp26b1ノックアウトマウスの背部皮膚を採取し、発現している遺伝子の網羅的解析を行い、同時期の野生型の皮膚と比較した。その結果、ノックアウトマウスにおいては、D1x3,Perpの発現が野生型と比べ有意に減少していた。この2つの分子が欠損したマウス胎児は、それぞれ皮膚発生異常がみられることが報告されている。さらにin situハイブリダイゼーションおよびRT-PCRを行ったところ、同じ結果が得られた。従って、このD1x3,PerpはRAシグナリングの下流にあり、皮膚発生に重要な働きをしていると考えられた。
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