研究課題
基盤研究(C)
MAPKK様の蛋白キナーゼであるTOPKは癌細胞の増殖や移動に深く関与している。一方、抗Her2モノクローナル抗体が臨床応用されていて、それはEGFレセプターからMAPKあるいはPI3K系にシグナルが伝達される系に働く。Raf蛋白はこのシグナル系に深く関与しており、さらにRaf蛋白はTOPKに結合する事が知られている。この研究では乳癌細胞を使ってTOPKとRafのシグナルの関連を調べる事によって、癌治療標的としてのTOPKの意義を検討した。免疫染色による検討で、TOPKの発現性は乳癌の悪性度であるHistologic Gradeと相関した。リン酸化実験等によってRafはTOPKのスレオニン198番をリン酸化する事が示され、RafがTOPKのリン酸化活性を上昇させ、Raf-TOPK結合能を上昇させることが明らかとなった。TOPKは癌とりわけ乳癌細胞においてEGF-/Her2のシグナル系において重要な役割を示している事が示され、結果、TOPKは癌治療標的として有用である可能性が示された。
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