研究課題/領域番号 |
20590456
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
長岡 功 順天堂大学, 医学部, 教授 (60164399)
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研究分担者 |
栞原 京子 (桑原 京子 / 新井 京子) 順天堂大学, 医学部, 助教 (10167976)
射場 敏明 順天堂大学, 医学部, 教授 (40193635)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2010年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2009年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2008年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 敗血症 / alarmin / アポトーシス / 抗菌ペプチド / 好中球 / マクロファージ / 血管内皮細胞 / エンドトキシン / HMGB-1 |
研究概要 |
抗菌ペプチド(α-デフェンシン、β-デフェンシン、cathelicidin)は病原微生物に対して強力な抗菌作用を有しており、自然免疫において重要な役割を果たしている。さらに、抗菌ペプチドは抗菌作用の他に、サイトカイン生成や炎症細胞を活性化して免疫調節分子としても働く。好中球は微生物感染において重要な食細胞の一つであるが、その寿命は短く、種々の菌体分子、生体分子によって調節されている。我々は、以前、ヒトcathelicidinであるLL-37とヒトβ-デフェンシンであるhBD-3が、P2X_7受容体とCCR6受容体を介して好中球の自発的アポトーシスを抑制することを見出した。そこで、さらに、α-デフェンシンの好中球アポトーシスに及ぼす影響について検討した。 その結果、α-デフェンシンの中でHNP-1がもっとも強くヒト好中球の自発的アポトーシスを抑制することがわかった。そして、その抑制は、アポトーシス促進タンパク質であるtruncated Bidの減少と、アポトーシス抑制タンパク質であるBcl-xLの発現増加をともなっていた。また、アポトーシスにともなうミトコンドリアの膜電位変化とカスパーゼ3の活性化が抑制されていた。さらに、興味深いことに、P2Y_6受容体の選択的アンタゴニストであるMRS2578がUDPのみならずHNP-1による好中球アポトーシスの抑制をブロックした。これらの結果から、HNP-1は恐らくP2Y_6受容体を介して好中球のアポトーシスを制御すると考えられた。 以上の結果から、α-デフェンシン、β-デフェンシン、cathelicidinなどの抗菌ペプチドは、それら自身で抗菌作用を示すだけでなく、微生物の排除に重要な役割を果たしている好中球の寿命を制御することで生体防御システムに働いていることが推測された。
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