研究概要 |
兵庫県下の特別養護老人ホームを対象に,看取りの実態,看取り介護加算(以下加算)の算定状況,看取りがもたらす経営と職員育成,入居者・家族の満足面への影響を調査した。看取りは職員の育成や入居者・家族の満足へつながるが,加算算定の有無によらず,経営上問題視されていた。加算は施設への経済的支援として十分ではないが,管理者と職員を看取りの実現という共通認識へ導き,職場環境の整備や業務の標準・効率化へ資する可能性がある。 今後着目すべき点として「看取り」(生前)と「おくり」(死後)の一貫したケアがあげられる。死を境にする分業をこえ,早期からの葬儀社による施設へ向けた事業的参入が,普遍化する将来像を提起した。
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