研究課題/領域番号 |
20590617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
柴田 英治 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (90206128)
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研究分担者 |
久永 直見 愛知教育大学, 保健環境センター, 教授 (90111856)
久保田 均 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 国際情報労働生研究振興センター, 研究員 (80415968)
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研究期間 (年度) |
2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2008年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 石綿 / 建設労働者 / 解体 / 胸膜肥厚斑 / 肺癌 / 中皮腫 / 胃癌 |
研究概要 |
【背景・目的】多種多様な危険有害因子に曝露され、一人親方や小規模事業所労働者の比率が高く、労働安全衛生対策が十分とは言い難い建設作業者にいて、その死因と石綿曝露・喫煙歴・飲酒習慣との関係を検討した。【対象】三重県の建設国民健康保険組合(2005年3月現在、組合員16,616名)の男性組合員本人で2001年1月〜2005年12月に死亡した324人及び建設業の職歴を有する組合員家族6人、計330人(20〜89歳)。【方法】対象者が死亡した際に家族から同組合に提出された葬祭費支給申請書、死亡診断書、喫煙歴・飲酒歴に関する問診票と国民健康保険診療報酬請求書明細書から、死亡の年齢、死亡年月日、死因、喫煙歴、飲酒歴などを得て、ICD-10に基づく死因の分類を行った。職種別の解析は組合加入時の登録に基づいた。2003年人口動態統計記載の全国男性の原因別死亡者数を標準集団として、標準化比例死亡比(SPMR)を、(1)全死亡者、(2)石綿によると推測される胸部X線写真上の胸膜肥厚斑の有所見率の高低で分類した職種群、(3)喫煙の有無別、(4)飲酒習慣の有無別、(5)職種群分類&喫煙の有無、(6)職種群分類&飲酒の有無別に算出した。胸膜肥厚斑頻度は我々のこれまでの調査で、頻度が2%超の職種と、2%以下の職種の2群に分類した。本研究は主解析者所属機関の研究倫理委員会の承認を得て行った。【結果および考察】全悪性新生物、肺癌、胃癌のSPMRが有意に上昇した。1973年〜1993年の死亡者について我々が行ったSPMR調査と比較すると、不慮の事故での有意差が新たに認められた。また、胃癌・肺癌に関しては、胸膜肥厚斑有所見率の高い群において、喫煙が加わることによりさらにSPMRの値が上昇した。石綿への曝露により、肺癌だけでなく胃癌での死亡も増加する可能性が示された。
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