配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2010年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2009年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2008年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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研究概要 |
宿主腸管は,腸内細菌由来の活性物質を種々の細胞膜分子により認識して,腸内環境情報を取得し腸管ホメオスターシスを維持していると考えられているが,その詳細なメカニズムについては部分的に解明されているのみである.本研究では,宿主の細菌認識機構に関係する腸管上皮細胞膜の分子について解析し,細胞膜トランスポーターや接着分子を介した新しい腸内環境の認識機構を明らかにした.本研究により,バシラス菌由来の腸管保護物質であるcompetence and sporulation factor(CSF)が,細胞膜トランスポーターであるOCTN2によって腸管上皮細胞に取りこまれ,30-60分後にその一部は核内に取り込まれていくことを明らかにした.さらに,新規乳酸菌SBC88由来の腸管保護活性物質を同定し,この活性物質は細胞内には取り込まれず,上皮細胞表面のインテグリンの一種を介して細胞表面に吸着し,腸管保護作用を発揮することを明らかにした.また,取り込まれた活性物質はMDR-1をはじめ複数の細胞膜トランスポーター等から排出されると考えられた.以上から,腸内細菌の認識機構は菌由来活性物質の種類によって様々であり,細胞内に取り込まれて効果を発揮する場合や,細胞表面に吸着して効果を発揮する場合がある.また,その排出機構には複数の細胞膜分子が関与しているものと考えられた.
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