配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2010年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2008年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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研究概要 |
紀伊半島に多発する筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症複合(紀伊ALS/PDC)における発症要因と病態解明を目的に、下記の点について検討を行った。 1)遺伝子検索 (1)候補遺伝子解析:パーキンソン病関連遺伝子(alpha-synuclein, LRRK2, parkin, DJ-1, PINK1, ATP13A2)、認知症関連遺伝子(APOE4, MAPT, PGRN, TARDBP, GSK3β)、運動ニューロン疾患関連遺伝子(SOD1, SOD2, SOD3,ALS2 alsin, SMN1, ANG, VEGF, VCP, VAPB, DCTN1 CHMP2B)について、既知の変異の有無を検討したが、すべての遺伝子について変異は認めなかった。また、平行して行ったGene dosage analyses(MAPT, alpha-synuclein, TARDBP, GSK3β,parkin)についても異常を認めなかった。さらに、若年性ALSの原因遺伝子として2009年春に同定されたFUS/TLS遺伝子の解析を行ったが、異常を認めなかった。 (2)TRPM7遺伝子:細胞内カルシウムとマグネシウムの調節に関与し、グアム症例でミスセンス変異の認められたTRPM7遺伝子について検討したが、紀伊症例では同一の変異は認めなかった。 2)TDP-43蛋白:2006年に発見されたALSと前頭側頭型認知症の神経細胞に特異的に出現するTDP-43蛋白にっいて生化学的、免疫組織化学的に検討した。紀伊ALS/PDC 5例での検討では、全例で海馬と脊髄の神経細胞内にTDP-43陽性封入体を認めた。ALS/PDCは、tau,α-synuclein, TDP-43が複合して蓄積する疾患であることがわかった。 3)OPTN蛋白:2010年に遺伝性ALSの発症遺伝子として同定されたOPTN蛋白は、紀伊ALS/PDCの脊髄運動ニューロンにおいて主な蓄積蛋白としては認められず、また遺伝子変異もなかった。 4)Ataxin遺伝子解析:現在、ALSのリスク遺伝子として報告されたataxin遺伝子のpoly Q延長について、解析を進めている。
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