研究課題/領域番号 |
20591102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 幹二 東京女子医大, 医学系研, 教授 (60138857)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2009年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2008年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 副甲状腺 / 副甲状腺ホルモン(PTH) / TGFbeta-1-induced protein(TBFBI) / カルシウム / 原発性副甲状腺機能亢進症 / 続発性副甲状腺機能亢進症 / α-klotho / FGF-23 |
研究概要 |
当研究室では、新規開発したヒト副甲状腺腫の器官培養系を用いて、原発性副甲状腺機能亢進症(I゜-HPT)でも続発性副甲状腺機能亢進症(II゜-HPT)でも、高リン濃度の培養液にて培養すると細胞増殖とPHPの分泌が亢進することを確認した。つまり、腎透析患者の副甲状腺における病態をin vitroで再現できた(J Bone Miner Res 26:xxx-yyy,2009)。 そこで、この培養系を用いてI゜-HPTとII゜-HPTの間になんらかの違いがあるとの仮説に従い、副甲状腺腺腫より得られた組織切片を低Ca濃度および高Ca濃度の培養液で1週間ほど培養した後、total RNAを抽出し、ヒトの全遺伝子を解析できるmicroarrayを用いてカルシウムが副甲状腺細胞に影響を及ぼす影響を検討した。 当然のことながら、副甲状腺でもっとも多く発現している遺伝子はPTHであり、高Ca濃度の培養液で培養すると、PTH mRNAの発現は減少した。さらに血管内皮細胞増殖因子(VEGF)やTGFβ1-induced protein (TGFBI)が高発現していた。高濃度のCa培養液で培養すると数十個の遺伝子の発現が2倍以上に増加し、また十数個の遺伝子が1/2以下に抑制された。興味深いことに、FGF-23のcoreceptorであるα-klothoの発現がI゜-HPTでもII゜-HPTでも多く発現していたが、I゜-HPTでは高Ca濃度の培養液では抑制される傾向があるのに対し、II゜-HPT由来の副甲状腺では促進的に作用していた。これらの結果は今年度の内分泌学会にて発表の予定である。 また、臨床的にPTH(7-84)が高値であったI゜-HPT患者において活性型ビタミンDが著しく低値であったことにヒントを得て、PTH(7-84)がマウス腎尿細管でPTHによる1,25-(OH)2D3産生を濃度依存性に抑制することを見出した。
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