研究課題/領域番号 |
20591164
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー内科学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
金子 和光 群馬大, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00334095)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2009年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2008年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | CD47 / SHPS-1 / ITIM / 自己免疫疾患 / Th17 |
研究概要 |
樹状細胞などの単球系の細胞に強い発現を認めるSHPS-1は、広く血球系に発現するCD47とレセプターリガンド関係を形成する。SHPS-1は細胞内にITIMと呼ばれるアミノ酸配列を有することから抑制性のシグナル伝達に重要な分子であると考えられている。また、CD47はT細胞に増殖やアポトーシスを誘導することから、CD47-SHPS-1シグナル系は免疫系において複雑な機能を果たしていると推測されている。本研究ではSHPS-1の細胞内領域が欠損するように作製された遺伝子改変マウスであるSHPS-1ミュータント(MT)マウスを用いて解析を行った。 (1)SHPS-1MTマウスはSHPS-1を介するシグナルが伝達されない特徴を有するが、このマウスを用いて関節リウマチの動物モデルとされるコラーゲン誘導関節炎を検討したところ、SHPS-1MTマウスではコラーゲンで免疫しても関節炎が発症しなかった。また、SHPS-1MTマウスの血清中に産生されるIL-1βは有意に減少していた。 (2)コラーゲンで感作されたSHPS-1MTマウスから得られたT細胞は、抗原に対するIFN-γ、IL-6、IL-17などのサイトカインの産生が減少しており、増殖反応も弱かった。 (3)SHPS-1MTマウスから得られるCD4T細胞は、T細胞受容体を介する刺激に対してIL-2の産生が低く、増殖反応が弱った。 これらの事実からSHPS-1は樹状細胞や、T細胞機能に深く関わる分子であり、自己免疫疾患の発症に重要な分子であることが明らかになった。また、SHPS-1のシグナルを遮断することは抗原特異的な免疫応答を抑制すると考えられ、CD47-SHPS-1シグナル系は自己免疫疾患における新規治療法の対象になると考えられた。
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