配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2010年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2009年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2008年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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研究概要 |
基礎実験から、担癌患者の血清中で増加している免疫抑制液性因子、すなわちVascular endotherial growth factor (VEGF), Tumor growth factor-beta (TGF-β),Interleukin-6(IL-6)などの諸因子が、宿主の免疫反応を抑制し、癌ワクチン療法の効果を制限している可能性が考えられた。われわれの開発した、ポリスチレン系極細繊維に官能基を付加して作製した、免疫抑制物質吸着カラムは、これらの抑制因子を効果的に吸着し、生体の免疫反応を増強する事が明らかとなった。さらに、免疫抑制物質吸着カラムにリポタイコ酸を固定化した繊維カラムを併用して作製したハイブリッドカラムを使用し、体外循環で処理した個体において誘導される細胞は、細胞性免疫と液性免疫の両面において、その機能が活性化されている事がわかった。すなわち、前述の抑制物質の吸着による効果のみならず、T 細胞刺激試験や、PHA幼若化反応などの増強効果を認め、正の免疫反応促進効果を有する事が明らかとなった。ラットを用いたインビトロおよびインビボにおける動物実験からは、同カラムの有する免疫抑制物質吸着作用による免疫増強効果が、癌ワクチンの免疫学的効果の補強に有効である事がわかった。さらにこれらによるワクチン効果が実際の動物実験において抗腫瘍効果を発揮しうる事も示唆された。
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