研究課題
基盤研究(C)
薬剤、ホルモン、放射線、サイトカインなどの刺激入力の種類やその程度に応じて、細胞内蛋白質を主体とした生化学的な連鎖反応が起こる(蛋白ネットワーク)。従って、入力刺激特異的な生化学的連鎖反応の順番を推定することができれば、最終的にその連鎖反応終了後に起こるはずの対象細胞特有の変化を高い確度で予測できることができる。しかしながら、このような時間ごとの変化を捉えるには全蛋白分画を含んだ膨大な数の時系列サンプルが必要であり、従来法では対応が難しかった。我々は、様々な入力刺激に対する細胞内反応蛋白群の時系列データを獲得するため、大量サンプル定量解析に特化したシステム(細胞ライセートマイクロアレイ、以下RPA)を確立した。RPAの原理はドットフォーマットのウェスタンブロットであるが、我々の開発したシステムでは従来の技術では難しかった細胞溶解液や蛋白質などの高粘稠度サンプルを用いても、サンプルを基板上に高密度集積(1,500 dot/cm2)した定量解析が可能となった。応用の範囲は広く、現在まで(1)癌細胞パネルを用いた蛋白分子によるプロファイリング、(2)大腸・卵巣癌の鑑別マーカーの同定、(3)DNA障害による蛋白レベルでの変化、(4)細胞シグナル理論モデルの実験的検証、などを報告してきた。現在我々はRPAの臨床応用を目指して、癌細胞への薬剤添加によるシグナル伝達関連蛋白質の量的変化のパターンが抗癌剤感受性判定に有用であるかを検証している。薬剤というシグナル入力による細胞内蛋白質の量的・質的変化は多様であるが、RPAによる蛋白定量モニタリングの結果を用いてシグナル反応の順番決定アルゴリズムを開発した。薬剤3種(5-FU、CDDP、CPT-11)をシグナル入力として大腸癌細胞株HCT116に添加した10種類の蛋白ネットワークの解析では、どの薬剤でも一定濃度以上で72時間以内に細胞周期の停止やアポトーシスが誘導されるが、薬剤の種類、濃度、投与法などにより、早期の蛋白ネットワーク分子群の反応パターンが異なっていた。RPAによる蛋白定量データを蓄積することで、臨床検体の初代培養細胞の蛋白ネットワークを構成する分子の量的および経時的変化による抗癌剤感受性予測が可能となると思われる。
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