研究課題/領域番号 |
20591724
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
堀 智勝 東京女子医大, 医学部, 教授 (60010443)
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研究分担者 |
落合 卓 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40307575)
久保田 有一 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40372982)
石 龍徳 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20175417)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2009年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2008年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | てんかん / 海馬 / PSA / 神経前駆細胞 / Doublecortin |
研究概要 |
成体の脳では、一般にニューロンの新生は起こらないが、海馬では例外的にニューロンの新生が続いている。この現象は、ラットで最初に発見されたが、1990年代後半にはヒトでも起こることが証明された。興味深いことに、てんかんモデルラットでは、海馬のニューロンの新生率が増加していることが多数のグループから報告されている。この研究を受けて、今までに、てんかん患者の海馬におけるニューロン新生について、いくつかのグループから報告がなされたが、その結果は一致していない。その原因の一つは、ニューロンに分化する増殖性神経前駆細胞を同定する適当な分子マーカーがないことによる。この点について我々は、ラットの研究から、神経細胞に分化する増殖性神経前駆細胞は、その初期段階から増殖マーカーのKi67とニューロンマーカーのHuを同時に発現していることを見いだした。そこで、ラットの研究をもとに、上記の分子マーカー及び、未熟ニューロンのマーカーのポリシアル酸やdoublecortinに対する抗体を用いて、てんかん患者および対照群の患者の海馬に存在する、増殖神経前駆細胞や未熟ニューロンを解析した。その結果、てんかん患者のうち、顆粒細胞の分散や歯状回門の細胞脱落が顕著な、海馬硬化の見られるものでは、正常なPSA陽性未熟ニューロンが減少し、異常な形態のPSA陽性細胞が増加していることが明らかになった。また、てんかん患者と対照群患者の両者で、Ki67+/Hu+又はKi67+/Hu+/DCX+増殖性神経前駆細胞が検出された。しかし、てんかん患者と対照群患者の間で、その数に顕著な差は見られなかった。以上より、てんかん患者でも対照群患者と同様に、ニューロン新生は起こるが、海馬硬化の見られるてんかん患者では、その発達期に細胞死や形態形成異常が起こる可能性が考えられる。
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