研究課題/領域番号 |
20591939
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
関根 正幸 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70345502)
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研究分担者 |
加嶋 克則 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (50345500)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2010年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2009年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2008年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 婦人科腫瘍学 |
研究概要 |
(1)ベータカテニン蛋白の乳癌組織における発現 乳癌組織におけるベータカテニン蛋白の発現および機能を調べるため、散発性乳癌14検体、BRCA1変異陽性乳癌17検体、正常乳線上皮7例において、total beta-catenin、active form beta-catenin(脱リン酸化により核に移動し下流遺伝子の転写を活性化する)およびBRCA1(C末端)の免疫組織染色を行った結果、totalは全例で細胞質および細胞膜に染色を認めた。active formの核染色を認めたのは、散発性乳癌で11/14例(78.6%)、BRCA1陽性乳癌では2/17例(11.8%)のみであり、2群間に有意差を認めた(p=0.0025)。また、散発性乳癌でactive form beta-cateninの染色を認めなかった3例では、全例でBRCA1の核染色を認めなかった。以上よりBRCA1関連乳癌では、ベータカテニン蛋白の活性化が発癌に関与している可能性が示唆された。 (2)家族性卵巣癌症例におけるFANCD2遺伝子解析 BRCA1、2変異陽性患者90人(BRCA群)、BRCA1,2変異陰性患者110人(BRCA陰性群)、乳癌・卵巣癌を認めなり健常女性170人(健常群)、計370人を対象に、直接シーケンスと一塩基伸長反応を用いてFANCD2遺伝子変異の有無を解析した結果、FANCD2では3個のアミノ酸置換を伴う遺伝子変化を認めた。そのうちA225T(exon9)は対立遺伝子頻度が0.27%である事に加え、BRCA群、健常群には1例も認めず、BRCA陰性群の同一家系患者2人のみに遺伝子変化が共有されることが確認された。FANCD2のA225Tはミスセンス変異と考えられ、同一家系内の患者ペアにのみ共有が認められたことから、BRCA1、2に異常を認めない家族性卵巣癌の発症に関わる変異である可能性が示唆された。
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