研究課題/領域番号 |
20592178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
稲永 清敏 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90131903)
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研究分担者 |
小野 堅太郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (40316154)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2010年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2009年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2008年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ピロカルピン / セビメリン / 唾液分泌 / 口渇 / 昇圧 / 昇圧反応 / 喉の渇き / 口腔乾燥 / ムスカリン受容体 / 口渇中枢 / 催唾剤 |
研究概要 |
ピロカルピンやセビメリンは唾液分泌を促進し、口腔内を湿潤させる。われわれはピロカルピンをラット腹腔内および脳室内に投与すると飲水行動が誘発されること、この行動は脳室内アトロピン前投与により消失することを明らかにした。さらに、c-Fos免疫組織化学およびスライス標本を用いた電気生理学実験の結果から、ピロカルピンが口渇中枢に作用し、のどの渇きを誘発していることを示した。一方、セビメリンの腹腔内投与では、唾液分泌は促進するが飲水行動は促進しなかった。むしろ、アンジオテンシンIIによって誘発された飲水行動に対して、セビメリンは抑制作用を示すことを明らかにした。以上のことから、ピロカルピンは中枢に作用して口渇感を誘発するように働くこと、セビメリンは逆に、口渇感を抑制することが判った。ピロカルピンおよびセビメリンの唾液腺腺房細胞に対する作用をカルシウムイメージング法により検討したところ、ピロカルピンはセビメリンより低濃度で効果があること、両者の反応時間はインビボで観察される唾液分泌促進時間と比べて短時間で終了することがわかった。ピロカルピンとセビメリンは、唾液腺では腺房細胞に対して同じような細胞内メカニズムを介して唾液分泌を誘発すること、この効果を引き起こすためには、セビメリンの方が高濃度必要であることが判った。ピロカルピンやセビメリンが比較的長時間、唾液分泌を促進するように働くのは、唾液腺腺房細胞以外のレベルでの効果によると推定された。このようにピロカルピンとセビメリンでは、中枢と末梢に対する作用が異なることが判った。
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