研究概要 |
顔面補綴物の主たる機能は,顔面欠損を被服し,審美性の回復を目的としている.従来から用いられているシリコーン樹脂が用いられているが,患部に適合した形態に整形し患者の皮膚に調和した色調を与えることが,不可欠であるが表面の着色だけでなく,顔面補綴物深層部すなわちシリコーン樹脂そのものの色調も重要になってくる。それらの彩色は熟練を要し,診療室にて長時間拘束されることとなる.その彩色法を簡便しするために様々な方法が考案されているが一般的な術式として定着してはいない.そこで,比較的入手しやすい肌色色票「スキーン・トーン・カラー」を用い, CCMにてシリコーン樹脂に色調を再現し,色の配合を明示し一般に普及し易くする事が目的である.この配合比などが,一般に普及すれば,初心者だけでなく熟練者にもある程度の目安になりえ,彩色の時間短縮につながると考えられる. 今回は従来からある,肉眼によって比較判断する視感的測色法のシェイドガイド,日本色彩研究所にて製作されている、肌色色票「スキーン・トーン・カラー」を用いた。これは,彩度(C3,C4,C5),明度(V4.0-V8.5),色相(1YR,3YR,5YR,7YR,9YR)の全145色に分類されており,それらを接触型の物理的測色計(コニカミノルタ社製CM-700)を用いて計測を行い,国際照明委員会(CIE)にて制定され、現在最も一般的なLab表色系にて、色相、明度(L*)、クロマティクネス指数(a*、b*)、彩度(C*)などの計測を行った.さらに肌色計測ソフトにてそれぞれ、ヘモグロビン指数、メラニン指数も計測し、日本人顔面色の測定データーと比較し使用頻度の高い色調を選び出す.黄色人種である日本人顔面色の測定データーと比較し使用頻度の高い色調を選び出した。
|