研究概要 |
平成21年度までに行ったユーザ視点のWebサービスの品質評価方法の検討結果を基に、平成22年度は、対象とするWebサービスをオンラインショッピングサービスに限定し、より詳細な評価を行った.本研究では、ユーザ視点のWebサービス品質評価尺度として、ユーザビリティを考えているが、Webユーザビリティの評価尺度・方法は明確に定義されていない。本研究では、ISO勧告に基づくユーザビリティと、ヤコブ・ニールセンのものの二つを対象とした。前者を用いた評価においては、生体信号である筋電位信号を用いた評価を行った。また,後者を用いた評価においては、Webサービスを利用する際の問題点に対する深刻度を評価尺度として、評価を行った。評価実験においては通信品質を変化させた状態で、被験者に実際のWebサービスを利用させ、各評価方式でそのサービス品質の測定を行った。実験結果から、オンラインショッピングを扱うWebサービスにおいて、通信品質がWebユーザビリティに及ぼす影響を定量的に評価することができ、この評価結果の示す意義は大きいものと考えられる。今後,ますますWebサービスへの依存度が大きくなる中で,Webサービスの設計において通信品質が考慮すべき要因の1つであることを示したことは、社会的な意義も大きいものと考えられる。なお、本研究結果の一部は、国際会議IEEE/IPSJ SAINT Workshop C3NETで1件、電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ研究会において1件、同ソサイエティ大会において2件、同総合大会で1件の発表を行った。
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