配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2010年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
本研究では,主メモリには到底乗らないような巨大ボリュームデータの描画法の開発を目的とする.本研究の基本的なアイディアは,巨大ボリュームデータをブロックに分割し,拡張DDA法を用いてブロックを整列することで逐次処理を実行する,というものである.しかし,描画に要するブロックデータが多いのであれば,ディスクからのブロック読込みコストが増大してしまう.そこで,ボリュームデータを多重解像度表現するとともに,効率良い枝刈り処理を組み合わせることで,ディスクからのブロック読込みを抑えて高速な描画処理を実現できると考えている. 本研究期間内の課題は,「巨大ボリュームデータの多重解像度表現」,「ブロックデータの整列ならびに枝刈り」,「マルチスレッドを利用した描画」,「データサイズやバッファリングの調整」,「代用データによる描画と先行データ読込み」,「超巨大データのための分散並列処理の検討」である.このうち,本年度は「ブロックデータの整列ならびに枝刈り」,「データサイズやバッファリングの調整」,「代用データによる描画と先行データ読込み」を中心に研究を行った.多重解像度のブロックデータに分割されたボリュームデータの必要性を,視点との相対位置関係から判定することで,ボリュームデータの連続描画を実現している.前年度にSSDや最新のGPU利用を試みたところ,ハードウェアの性能に応じて,適応的に高速化を実現する手法の開発が必要であることが明らかになってきた.そこでブロックデータの優先度を固定長ビット列でなく可変長で扱う方法や,描画時間も含めて処理時間を計測してフレームレートを維持する方法などを検討し,一定の成果を挙げることに成功した.さらに,ブロックデータの解像度を調整する新たな手法を開発することで画質の向上も実現できた.
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