研究課題/領域番号 |
20650073
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
岸田 晶夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60224929)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2008年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 生物・生体工学 / 生体材料 / 生物物理 / 先端機能デバイス / ナノデバイス |
研究概要 |
申請者は、細胞内での反応を伝達する分子群が核膜、細胞膜および細胞骨格上に存在することに着目し、それらに存在するタンパク質の固有振動と共鳴するエネルギーを与えることによって、個別にタンパク質を活性化あるいは不活性化できるのではないかと考えている。本研究では、ナノメータレベルの微小な機械振動の付加による細胞機能制御法を開発し、細胞の機能変化についての分子レベルでの考察をすることを目的とし、1)微小振動装置の改造・改良、2)微小振動による細胞増殖・接着制御の評価、3)細胞機能の評価法の確立については検討した。初年度は、長時間の駆動と高周波数での駆動が可能な装置の開発を試みた。本年度は、昨年度に引き続き、振動付加時のマクロ観察による網羅的情報収集として、光学顕微鏡下での種々の細胞の接着・増殖を観察した。初代培養系のなかでも周辺環境変化に敏感な幹細胞に焦点をあて、ヒト間葉系幹細胞(hMSC)の分化誘導について検討を行った。hMSC培養にナノ振動を付加することにより、接着細胞の増加が示され、また、細胞の接着形態にも振動の有無による差異が観察された。細胞の分化について、染色により判別を試みたが、明確な効果は得られなかった。PC12細胞を用いた初年度の検討では、分化誘導因子の併用で有意な分化促進が示されたが、hMSCの場合には、より長時間の振動付加が必要であると推察された。以上の結果は、微小振動の生理学的意義を理解するうえでの新しい知見と考えられる。分化誘導における物理刺激については、細胞分化のタイミングと刺激付加のマッチングが重要と考えられた。(662字)
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