研究課題/領域番号 |
20650094
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
身体教育学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
夏目 季代久 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (30231492)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2009年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 概日周期 / 海馬スライス / β波 / 長期増強 / 精神疾患 / カルバコール / 海馬 / 記憶学習 |
研究概要 |
サーカディアンリズム(CR)の異常が、なぜ精神疾患、脳波異常を引き起こすのか、現在の所、不明である。また、それらに関する基礎的な研究も世界的に全くない。脳には、CRの他に、数10ミリ秒~数100ミリ秒と短周期の脳波があり、その中で、θ波、β波は記憶学習に関わっていると言われている。CR異常と精神疾患との機構を探る端緒として、本研究では、24時間と長周期のCRと、短周期で記憶学習に関与するβ波との関係を明らかにした。 2年目には、1年目の結果を再度確認するために例数を増やし、またシナプス可塑的変化を調べた。1年目と同様、ラット海馬スライスで生じるカルバコール誘導β波の出現の仕方、及びシナプス長期増強を主観的昼ラット、夜ラット各々から切り出したスライスで比較した。主観的夜昼両ラットから切り出した海馬スライスのカルバコール誘導β波(以下β波)の周波数に違いは観察されなかったが、主観的昼のラットから切り出したスライスのβ波は主観的夜から切り出したものに比べ、β波の有意に出現頻度は高かった。つまり、主観的昼ラットの方がβ波は出現しやすかった。また主観的夜ラットから得られた海馬スライスにおけるβ波にGABA受容体の阻害薬であるGABAZINEを投与すると、出現頻度は上昇し主観的昼ラットのβ波の出現頻度になった。また、主観的昼ラットから得られた海馬スライスでは、CA3錐体細胞リカレントシナプスのシナプス長期増強(LTP)は誘導されるが、主観的夜ラットでは誘導されなかった。 以上の事より、主観的昼ラットから得られた海馬スライスには、主観的夜ラットから得られたスライスに比べ、GABA受容体の抑制が小さく、β波の活動性、LTPの誘導性の違いが観察されたものと考えられる。
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