研究概要 |
今年度は,昨年度に検討した減量介入プログラムによる心外膜脂肪量への影響について,さらなるエビデンスの蓄積をおこなった.得られた知見は以下のとおりである. 1)男性35名(52.5±6.6歳)に対し,ウォーキングを中心とした有酸素性運動実践による運動教室を週3日,3か月間提供した結果,体重は平均2kg減少し,心外膜脂肪と関連の強い内臓脂肪面積,収縮期血圧,そしてインスリン抵抗性を中心に,多くの健康関連指標が有意に改善した.2)女性31名(48.7±6.0歳)に対し,ウォーキングまたはアクセラレーショントレーニングの実践および食事改善指導(1200kcal/日)教室を提供した結果,体重は平均7kg減少し,心外膜脂肪と関連の強い内臓脂肪面積,収縮期血圧,インスリン抵抗性を中心に有意に改善した.これらの結果はいずれも,著者らが昨年度までの報告を裏付けるものであった. 上記の結果を受け,心外膜脂肪をより効果的に減らす減量プログラムを以下の通りまとめた.減量プログラム:(1)食事改善プログラム(2)食事改善プログラム+運動実践プログラム期間:3か月間対象者:心外膜脂肪の減少を必要とする男女 1)食事改善プログラム内容:4群点数法を活用し,栄養摂取バランスおよび摂取カロリーに対しての自己管理方法を身につける.2)運動実践内容:有酸素性運動を中心とする. 例)ウォーキングの場合:(1)強度:自覚的運動強度(RPE)11~13程度,(2)実践時間:20~120分/回,(3)実践方法:減量開始時は低~中強度,短時間で開始し,その後体重減少幅幅および体力改善に伴い,自己選択により中強度・長時間実践できるよう導く.
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