研究課題/領域番号 |
20650120
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生活科学一般
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
土井 正 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 准教授 (70137181)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 屋外防災照明 / 誘導システム / 屋外避難 / 広域停電 / 地震災害 / 蓄光材 / LED照明 / 誘導標識 |
研究概要 |
本研究は地震災害時に発生する広域停電下での屋外避難経路の明かりの確保と避難誘導を円滑にするシステムを住宅の門灯や玄関灯などを利用して構築することを目的としている。屋外の非常時の明かりの機能として、避難路面の明るさの確保と、避難場所への誘導性が求められる。日常夜間の安全な歩行のための路面照度は犯罪からの回避が可能な平均3lx(この条件では最低鉛直面照度0.5lx程度が確保される)が堆奨されている。これまでの検討から非常時では0.5~0.1lxの路面照度があれば、避難経路を誤認することなく、通常歩行時に近い避難速度が得られことが見いだされている。しかしながら、これらの知見は室内の模擬街路といった限定された牢間での検計結果であり、実空間の広がりのある環境下や湾曲した街路では連続して点灯している門灯の遠近感を喪失し、避難経路を誤認する可能性がある。そのため、今年度は、天空漏れ光がほとんどなく、月没後の時間帯で全天空照度が0.03lx以下となる山間部の地方都市のグランドにおいて、試作した停電時電池点灯のLED門灯の色温度、発光面輝度(指向透過性および拡散透過性発光面(グローブ))、設置間隔を変化させ、被験者の避難時の歩行速度測定と主観評価実験を行った。その結果、設置間隔30mまでの歩行速度は色温度にかかわらず、輝度の高い指向性透過性状を有するグローブでは、街路照明により照明された街路の通常歩行速度と変わらない値が得られた。これは、歩行経路の路面照度はほとんど得られないが、照射された門灯近傍の路面全体が面光源化して、誘導性が向上したことによると推察された。しかしながら、設置間隔が50m以上になると、門灯により照射された路面はほぼ認識されなくなり、門灯だけが点光源と認知されるとともに距離感が喪失して誘導性が低下することに起因すると考えられた。拡散透過性グローブではより誘導性が低下した。以上の結果、LED門灯による屋外誘導システムの有効性と設置要件が明らかになった。
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