研究課題/領域番号 |
20650146
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育工学
|
研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
大内 誠 東北福祉大学, 総合マネジメント学部, 准教授 (40326715)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2010年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2009年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 反響定位 / echo location / 聴覚ディスプレイ / 頭部伝達関数 / HRTF / バーチャルリアリティ / 視覚障害者 / 障害物知覚 |
研究概要 |
本研究は、全盲者の友響定位能力(靴底や白杖が路面に接触することによって発せられた音波が、周囲の建物や障害物等に反射して跳ね返ってきたものを聴覚によって捉えることにより、周囲の環境を認識する能力)をバーチャル環境の中で安全にトレーニングするための装置を開発すると共に、訓練手法やその評価方法を確立することを目的としている。 平成22年度は、システムの完成と訓練効果の検証を目指した。完成したシステムは次のようなものである。被訓練者はヘッドフォンを装着し、手にはゲームコントローラを持って、バーチャル空間内を歩行する。コントローラの前進ボタンを押すと1歩前に進み、同時に足音の直接音と壁などから一次反射音が聞こえる。また、Aボタンを押すと舌打ち音を発することができる。壁に身体が衝突すると衝突音が流れ、同時にゲームコントローラが振動する。したがって、被訓練者は壁に衝突しないように歩行することと、反射音を聞き分けて開口部や壁のない方向を探すことが求められる。一方、訓練指導者は、実行画面を見ながら壁の有無や開口部の方向など、必要に応じて指示をだすことにより訓練を行う。なお、本システムは頭部運動感応型となっているため、視覚障害者が音源位置を探索する際に極めて重要な手がかりである、頭部の運動による音色の微妙な変化も模擬している。本システムを用いて訓練可能な能力は、障害物や壁までの距離を認識する能力、開口部の有無やその方向を知覚する能力、廊下や部屋などの広さを認識する能力、認知地図を形成する能力、などである。 完成したシステムは視覚障害リハビリテーション研究発表大会等でデモンストレーションを実施した。その他、訓練に必要な基本的なコースウェアの考案は完了したが、東日本大震災のため実証実験には至らなかった。平成23年度以降も引き続き本研究を継続し、視覚障害者の反響定位能力訓練技法の確立に努めたい。
|