研究課題/領域番号 |
20650152
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
田口 直樹 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (60303252)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2008年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | モノづくり / マイスター / 金型 / 技能 / 技能形成 / 情報技術 / 中国 / マイスター制度 / 技能教育 |
研究概要 |
本研究は情報化時代におけるモノづくりの技能形成の在り方について検討することを研究課題とし、情報技術と技能の結合が典型的に必要とされる金型産業を対象として研究してきた。方法としては、当該産業における技能形成の実態を歴史的に分析することにより、情報化時代における技能形成として維持しなければならない要素は何かを明らかにすることであった。具体的には、金型の主たる企業へのインタビューを映像に残す作業と、情報化を背景として工業発展をしている中国の当該産業の実態調査をすることにより、情報化時代におけるモノづくりに必要な技能について調査研究を行ってきた。これらの研究成果としては田口直樹著『産業技術競争力と金型産業』ミネルヴァ書房(2011年3月刊行)を出版し、ヒアリング記録として、自動車プレス御三家と呼ばれるオギハラ、富士テクニカ、宮津製作所、モーターコア型の黒田精工、三井ハイテックの創業者を中心に同社の技能形成の歴史を映像として残した。映像に関しては、研究協力先である財団法人型技術振興財団において歴史資料として公開している。 これらの研究成果において抽出出来た結論としては、以下の点である。現在、CAD/CAM/CAE、 NC化という形でモノづくりがいわば装置産業化しており、一定のシミュレーションのもとである程度のものであれば自動的にものが出来上がる技術体系となっている。しかし、こうしたシステムの脆弱性は、不測の事態への対応が不十分であることにある。経験・直観をいかにシステムに生かすのか、そうした体制が設計・製造過程で構築されている場合には、システムとして有効に機能するということを明らかにした。ゆえに、デジタルマイスター制度の確立の条件としては、そうした設計・製造過程におけるアナログ的要素を意識的に残す「場」を製造現場に確立しておくことが必要であることを明らかにしている。
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