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乾式合成による人工緑青の作製技法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 20650154
研究種目

挑戦的萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 文化財科学
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

中村 博昭  独立行政法人物質・材料研究機構, 情報通信材料研究萌芽ラボ, 研究業務員 (60354164)

研究期間 (年度) 2008 – 2009
研究課題ステータス 完了 (2009年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2008年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード合成化学 / 建築構造・材料 / 環境材料
研究概要

産業の発達に比例し増加する酸化性ガスは酸性霧や酸性雨となり、建造物や生活環境に影響を与える。銅・銅合金の緑青(塩基性銅化合物)は数十年経過による自然の化学反応で得られ、構造物を100年以上保護する亜酸化銅と塩基性銅化合物との積層構造被膜となる。しかし、近年は環境の悪化で永年を経ても緑青を得ることが困難になり、歴史的建造物の保全等の分野で、人工緑青に対する効率的な製造法が求められている。
本研究は、熱的衝撃と酸化性雰囲気とに耐性のある反応容器と恒温湿槽を創製し、酸化性ガスと水蒸気の環境下で、銅表面に亜酸化銅と塩基性銅化合物の積層構造からなる、人工緑青の乾式合成による製作法を試みた。
耐酸性の反応容器を用い、銅基材を昇温し、硝酸を蒸発させて銅基材表面へNOxガスと水蒸気とを接触させる。このときの反応により、亜酸化銅と硝酸銅6水和物の積層構造の被膜を得ることができた。この試料を恒温湿槽内で、温度20~50℃、湿度50~90%に保持することにより、硝酸銅6水和物は、硝酸銅3水和物及び硝酸銅2.5水和物へと移行し、安定化することを結晶構造から明らかにした。硝酸銅3水和物及び2.5水和物を得た試料は大気中での焼成により、銅基材表面に塩基性硝酸銅の緑青被膜を製作した。これらの工程を経て得られた緑青被膜は、自然緑青の積層構造被膜に合致することが分かった。これらの結果を、銅表面への亜酸化銅と塩基性硝酸銅の不溶性の積層構造被膜を乾式合成する製法として、特許出願をした。さらに、乾式合成で得られた人工緑青の試料は、実用化を目指して大気暴露試験を実施中である。
本研究は、(株)タニタハウジングウエアから実用化を目指して、研究協力を頂き実施した。

報告書

(2件)
  • 2009 実績報告書
  • 2008 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 産業財産権 (1件)

  • [産業財産権] 人工緑青被覆銅部材とその製造方法2009

    • 発明者名
      眞岩幸治, 中村博昭, 中村龍雄, 飯島清一, 関口忠志
    • 権利者名
      (独)物質・材料研究機構(株)タニタハウジングウエア
    • 産業財産権番号
      2009-166696
    • 出願年月日
      2009-07-15
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書

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公開日: 2008-04-01   更新日: 2016-04-21  

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