研究課題/領域番号 |
20651015
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
加藤 孝一 日本大学, 薬学部, 准教授 (60246931)
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研究分担者 |
山中 健三 日本大学, 薬学部, 教授 (50182572)
立川 眞理子 日本大学, 薬学部, 准教授 (90139098)
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研究期間 (年度) |
2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2008年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 大腸がん / 酸化ストレス / クロラミン / メチルアミン / クレアチニン |
研究概要 |
本研究は、食肉成分(クレアチニン)に着目し、その摂取により潰瘍性大腸炎(UC)の増悪に及ぼす影響について検討した。その結果、クレアチニン代謝過程で生成する内因性活性種がUCにおける新しい誘発要因になりうる可能性を示した。 課題.1クレアチニン投与による大腸内環境の変動:クレアチニンはヒトの腸内細菌によりメチルアミンに代謝され、食肉摂取により血漿中濃度が上昇することがヒトにおいて知られている。そのことから、マウスを用いてクレアチニン投与による大腸内メチルアミン濃度を測定した結果、顕著な上昇を示した。 課題.2クレアチニン投与による潰瘍性大腸炎(UC)モデルマウスの炎症増悪作用:デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)投与によるUCモデルマウスを用いて、UCが食肉由来クレアチニンの投与により増悪するか否かについて検討した。その結果、クレアチニンを前投与したマウスの糞中メチルアミンが十分に上昇した時点でDSSを併用投与したところ、DSS投与開始後、逐次マウスのUC増悪スコアが増加し、病理組織学に炎症の増悪がみられ、または免疫組織化学的にも酸化ストレスが顕著に誘発されることを明らかにした。 課題.3大腸内生成が推定される活性種の合成およびそれらの投与による大腸組織傷害の誘発:クレアチンの代謝により生じたメチルアミンとUC局所に浸潤する好中球が産生する次亜塩素酸(HOC1)との反応により生成する内因性活性種、特にメチルアミンクロラミン類がUCを増悪する可能性を検討した。 具体的には、メチルクロラミン類(CH_3NHCl、CH_3NCl_2)を合成して、大腸内に直接注腸することによりそれらの粘膜傷害作用を検討した結果、メチルアミンジクロラミン(CH_3NCl_2)が大腸粘膜固有層に酸化ストレスを介した傷害作用をもたらすことを明らかにした。
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