研究課題/領域番号 |
20652012
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
芸術学・芸術史・芸術一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉川 茂 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (80301828)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2009年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | サグラダファミリア教会 / ガウディ / 双曲形ベル / 縮尺模型 / 可聴化 / 鐘楼 / 周波数変換 / 音響放射特性 / チューブラベル |
研究概要 |
サグラダファミリア教会に対するガウディの音楽的、音響的意図を探るために、彼自身の手によって完成された生誕のファザードを研究対象として本研究を計画、実施する。以下は平成21年度に実施した内容である。 これまでの研究で用いてきた鐘楼下部構造(アクリル製)に修理補強を施し、20年度に製作した鐘楼上部構造と連結し、鐘楼全体の1/25縮尺模型を完成させた。この模型の頭部にツイータを設置し、無響室において可聴化実験を行い、データを収録した。音源には、ベルの合成音および教会において実測したベル音(21年7月に英国で収録)を用いた。データ解析の結果、ベル音は水平方向(角度0度)、-45度、-60度の方向に強く放射されること、また高周波の帯域では+15度方向にも放射されることが分かり、ベル音の可聴化において放射指向性を考慮する必要性が判明した。これらの特性は鐘楼の窓にあるルーバー(角度-45度)がもたらす放射特性であることが数値シミュレーションとの比較から了解された。また、実測したベル音を音源に用いた場合には、対雑音比(SN比)が周波数変換・逆変換に影響することが分かり、なるべく高いSN比の音源を用いて可聴化実験を行わなければならないことが判明した。 次に、双曲形楕円断面ベルと双曲形円断面ベルを試作し、これらの"two-pitch bell"がもたらすベル音を収録し、周波数分析した。なお、試作したベルの振動・音響設計においては中央大学理工学部戸井研究室との共同研究から得られた成果を用いた。これらの試作ベルに関する聴感実験に基づいてtwo-pitch bellの設計法について検討中である。この試作ベルの音響特性と周波数変換・逆変換から得られたベル音の音響特性とを比較検討し、サグラダファミリア教会鐘楼からのベル音楽の可聴化について考察した。
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